走錨という事故は予見できないのか?

9月5日の台風21号の強風で関西空港の連絡橋にタンカー「宝運丸」が衝突した事故は走錨という一般人にはあまり聞きなれない現象によって起きたものです。

これは、いかりを降ろして停泊していた船が、強い風波の力を受けて錨の支持を失って流されるという現象です。

当該船舶の船長は40歳だそうで、予見しがたい事故だったと話しているそうです。だとすると、その船長さん、船長としての知覚が足りないですね。

過去、2004年10月には、海技教育機構の練習船海王丸が台風23号の強風にあおられ、富山県の伏木港で走錨し、 防波堤に打ち寄せられ、練習生など30人が重軽傷を負ったという事故がありました。

また、1954年9月、函館港外で起こった鉄道連絡船『洞爺丸』の1100人余の犠牲者を出した大惨事も、走錨による事故であることが知られています。この時代、気象レーダーが今ほどの性能を持たず、台風進路の予測もままならなかったことを考えれば、走錨を予測できない事象ととらえることはできるでしょう。

2004年の海王丸走錨の際には、海王丸以外にも約800隻の船舶が走錨現象を体験しているそうです。

その様子は、海上保安庁が『海難レポート2005特集 台風と海難』 としてまとめ上げ、レポートしています。

今回の台風21号の大阪湾への接近前には気象庁がいち早く、風波や高潮の危険性を伝えていました。

ド素人の私でさえ、大阪港周辺が大変なことになるかもしれないなと、危機感を持つのは容易でした。(関西国際空港があれほど脆弱だということはしりませんでしたけれど。)

若く、経験僕は否めないとは思いますが、1隻の船舶(それも危険物を運搬するタンカーです。)を預かる船長さんです。もしや?という予感はあったはずです。

そろそろ想定外という言葉は聞き飽きました。

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