北インドと南インドのカレー

タイやスリランカなどの他国のカレーが、地域によって違うという話は聞かない。

北インドと南インドでは、カレーに使うスパイスや具材などが大きく異なる。

北インドは、ジャンムー・カシミール州やヒマーチャル・プラデーシュ州、チャンディーガルおよびデリー首都圏など。

北インドのカレーは、マイルドな辛さで、こってりと濃厚で、油分が多い。
日本でポピュラーな「カレーとナン」という組み合わせは、小麦が主食の北インドのもの。カレーも「バターチキン」に代表されるタイプが主流だ。
また、牛乳や生クリームなどを使用しているためこってりと濃厚で、油分が多いのが特徴。

よく使う食材:牛乳、生クリーム、バター、カシューナッツ
よく使うスパイス:クミン、カルダモン、ターメリック、ガラムマサラ(ミックススパイス)
スパイスの香り付け方法:最初に行う。鍋の底に油をひき、カルダモンやクローブなどのスタータースパイス*1を入れて火にかけ、油に香りを移す
主食:小麦粉を捏ねて焼いたパンのようなもの(チャパティ、パラタ、ナンなど)

北インドの料理はさらに、「パンジャーブ料理」と「ムガル料理」の2つに大きく分けられる。このことは別掲する。

南インドはカルナータカ州、アーンドラ・プラディーシュ州、ケララ州、タミル・ナードゥ州の4つの州

南インドカレーは「シャバシャバ」で「辛味」が強い。
暑い南インドのカレーは水分が多く、酸味やスパイスの辛さを効かせたカレーで食欲増進を誘う。札幌発祥といわれるスープカレーの源流は実はこの南インドカレーで、アジャンタの店主が薬膳の思想を取り入れながら、日本人の味覚に合うように調整したものだ。
南インドでは、小麦が主食の北に対し、稲作が盛んな南は米が主食。
ココナッツオイル、カレーリーフやタマリンドを使用。短い調理時間&シンプルな工程。

よく使う食材:ココナッツミルク、タマリンド(酸味のあるフルーツ)、魚介類や野菜、豆
よく使うスパイス:マスタードシード、レッドペッパー、カレーリーフ
スパイスの香り付け方法:別の鍋に油をひき、最後に行う。マスタードシードやカレーリーフに火を通して辛みや香りを移した油を、カレーの鍋に混ぜる(テンパリング)
主食:お米
参考:バスマティライス・・・細長くて粘り気がない。味と香りがよい高級米。タイ米とは似て非なるもの。




日本のカレー 完全攻略目論見 index


シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする