バングラデシュは、パキスタン領だったことがありました。
すなわち、バングラディシュの料理は、パキスタンの料理に通ずるのか?
ところが全くそれは違っていました。
それではバングラデシュの歴史からひも解いてみましょう。
もともとインドのベンガル地方のひとつの地域だったバングラデシュ。
第二次世界大戦後イギリスからの独立、それから宗教による民族構成が地域ごとに変わります。すなわちインド全域に混在していた多数派のヒンズー教徒と少数派のイスラム教徒がそれぞれに独立することになったのです。
多数派のヒンズー教徒はインド、少数派のイスラム教徒はインドをまたぎ西と東に別れパキスタンとなりました。(1947年)
その東パキスタンが現バングラデシュです。
結局民族も文化も違う西と東。
常に主導権は西パキスタンにありこれに不満を待った東パキスタンがインドの力を借りてバングラデシュとして独立を果たしました。(1971年)
バングラとはベンガル人のことでデシュとは国、すなわち「バングラ人の国」という意味からも彼らはバングラ人であることにとても誇りを持っています。
これからもわかるようにバングラデシュの食べ物はインドの西ベンガル州と同じ食文化の流れがあるようです。
持ち手のない鍋や床に置いて足で固定して使うボティという包丁など使用する調理機器も同じです。
それではベンガル料理とはどんな特徴があるのでしょうか。
バングラデシュは大きな川がいくつも流れ水量が豊富で肥沃な土壌を持ち自然に恵まれた国です。
「米と魚の国」と呼ばれ「米と魚を食べるベンガル人」と言われています。
また「米と魚があればベンガル料理」とも言われるそうです。
その言われのとおり主食は米で世界で一番米を食べている国というデータもあります。
食事のスタイルは大きな洗面器のような入れ物に炊いた米が入ったものがテーブルに置かれそれにトルカリというカレー味のおかずやカレーの汁物、野菜炒めなどの副菜が一緒に並びそれぞれ好きなものをご飯と共に皿に取り分けて指で混ぜながらいただくのがバングラデシュの一般的な食事のスタイルで豆のスープが供されますがそれは食事の途中で出されます。
バングラデシュ料理には野菜や魚が多用されますが、鶏、山羊の肉、海老、たまご等もメインディッシュの材料になります。
米の他にはチャパティやルティ(ロティ)など無発酵のパンもよく食べられています。
またインドと同じようにタンドールで焼いたナンも食べられますが形は楕円形ではなくバングラディッシュのナンは円形なのが特徴です。
カレーは粘度により呼び方が違い、おおまかに汁が多いさらっとしたスープ状のカレーをジョールと言い、このジョールより汁が少ないとろみのあるものをブナと言います。
バングラデシュの人たちがよく食べる白身魚のカレー「マーチェリジョール」は魚と玉ねぎだけのさらっとした味わいのカレーです。
バングラデシュのカレーの特徴は必ずレモンが付け合わされ、これがとても合って美味しいのだそう。
バングラデシュの人たちはとてもカレーが好きでインド、パキスタンを抑えひと月にカレーを食べる比率は世界1というデータが出ています。
またバングラデシュの料理に欠かせないのが「パンチフォロン」(5つの調整剤の意)という香辛料です。カロジラ・クミン・マスタード・フェヌグリーク・フェンネルの香辛料を味を調えるとき粒のまま使うのが特徴です。
パキスタンでは調理にギーという油を使うのに対しバングラデシュはマスタードやマスタードオイルを使うのもベンガル料理の特徴です。
ただ、キリスト教信者が多くヨーロッパの影響を大きく受けているインドの西ベンガルとバングラデシュでは同じベンガル料理でも一線を画すようです。
以上がバングラデシュとベンガルとの関係です。
by MIHO
バングラデシュについて(外務省)
日本のカレー 完全攻略目論見 index