海鼠腸の株式投資スタイル

注)文中の画像は、新明和工業の公式サイトよりお借りしました。

株式投資は、現在のところ、現物のみである。投資でも投機でもない、自分好みの企業を応援するのが目的のような資金拠出だ。だから、少額でもその会社から配当金が入った時は、涙が出るほどうれしい。

  リアルに打ち明ければ、最も保有数が多いのは、新明和工業株式会社の株式である。理由はあるが、あまり参考にはならないと思う。というか、読んでいただくには時間の無駄となるかもしれないことを申し添えて書き進めよう。

 今から40年以上前、私は自衛隊のパイロットを目指していた。きっかけは、高橋亮子さんの「坂道のぼれ」という少女コミック連載作品だった。
 最終的には、準主役のチョイワル男子高校生で、主人公の柚木亜砂子が恋する明葉高校の新田友がラインパイロットを目指しているというところに帰結する。なんと、私の中では新明和が、少女漫画とつながっているのである。

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 さて、新田友の真似をして、ラインパイロットを目指したミーハー学生の私は、航空大学校を目指すことになるわけだが、とある日、海上自衛隊のパイロットの方と話す機会を持つことになる。そこで彼が言った言葉が衝撃だった。
「民間のパイロットなんて、バスの運転手と同じだぜ・・・・」
つまりこういうことだ、ラインパイロットは空港から空港へ、いうなればバスストップという定点と定点の間を移動するだけでつまらないよと・・・。
 

 単純なやつである。そのことだけで目標を自衛隊の航空学生志望に変えてしまった。

その後、夏休みを使って、海上自衛隊の航空基地に「体験入隊」する機会を与えられた私はそこで、衝撃的な出会いをすることになる。
その基地は、青森県下北半島にある大湊航空隊なのだが、当時、運用されていたのは、対潜ヘリコプターのHSS-2という機体のみで、固定翼機がなかった。
3泊4日の体験入隊の最終日、突然それがやってきた。

基地からほど近い陸奥湾の海面に見たことのない巨大な怪鳥が舞い降りた。

担当の自衛官曹長から説明がある。「あれは、海上自衛隊が誇る水陸両用救難飛行艇です。この飛行機の機長は、海上自衛隊のトップクラスの腕を持つパイロットです。」

新明和

その壮言なたたずまいは、体験入隊に参加していた少年たちを圧倒した。残念ながら潮の満ち引きの関係で、飛行艇が陸に上がることはなかったので、すぐそばで見ることはできなかったのだが・・・。

やっぱり、単純なやつである。

「よし、俺もあれのパイロットを目指そう。」となるわけだ。

その後のことは端折らせていただくが、航空学生を受験した私は、一次試験は見事に突破したものの、視力低下と、鼻中隔湾曲という2大レッテルのため、不合格となり、パイロットへの道は閉ざされた。

しかし、新明和工業製のあの飛行艇のことはずっと記憶に残り続けた。そして随分と後になってから、いつの日にか、新明和工業の株主になりたいという夢を抱くことになる。

まったく、単純なやつである。

ところで、航空学生への夢を絶たれた私はその後、地方公務員となり、柚木亜砂子似の1コ下の幼なじみの女の子に恋心を告白しに行き、見事玉砕を遂げるのだが、その40年後に大逆転の奇跡を起こすこととなった。(Investment style 参照)

 株式投資を始めるにあたって、こういう明確で単純な理由があったほうが始めやすいし、保有するモチベーションも高まる。

だから私の場合、株式についてはテクニカル的な分析はほとんどしない。その企業を愛せるかどうかで判断する。で、それは大体間違ってはいない。

仮に何かあって、その株券が紙くずになったとしても、クラウドに霧散したとしても、その企業を応援していたという記憶は残る。

株に関しては、そういうスタンスで持っているし、これからもそれは変わらない。

ちなみに、新明和のその飛行艇は、性能が更新され、現在も活躍している。

いつだったか、太平洋の大海原で、ヨットで遭難したチンボーさんを救助したのはこの機体である。

昨今は、インドや豪州からの引き合いも期待され、新明和は株価的にも妙味のある銘柄なのだ。

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